リエゾン・コンサルテーションと緩和ケア

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大学病院のような総合病院では、日々、精神科医が、他の診療科に入院中の患者さんのメンタルヘルス不調に対応しています。このように、さまざまな診療科の患者さんに生じた精神医学的問題に対して、精神科医が他の診療科スタッフと精神科医が協働して患者さんの見立てやケアにあたることをコンサルテーション・リエゾンと言います。当科では、特にこのコンサルテーション・リエゾンに力をいれており、精神科医、精神科認定専門看護師、臨床心理士がリエゾン・チームを形成し、約1,200件のコンサルテーションに対応しています。患者さんの代表的な主訴、依頼理由は、不眠、不安、抑うつ状態、せん妄などです。
また、当院は、がん診療連携拠点病院に指定されていることから、緩和ケアに積極的に取り組んでおり、精神科医が緩和ケア・チームの一員として、多診療科・多職種とともに患者さんの症状緩和や危機介入等の診療活動に従事するとともに、地域における緩和ケア研修会の運営・講師業務などにあたっています。
コンサルテーション・リエゾンと緩和ケアは、道内で総合病院を拠点に地域医療を支える当教室にとって特に重要な診療領域です。特にこのような拠点病院では、コンサルテーション・リエゾンと緩和ケアに代表される、高度なチーム医療が求められており、あまり知られていませんが、精神科の積極的な関与が、患者さんの入院期間の短縮化に果たす役割が大です。近年は、高度救命救急センターからのコンサルテーション・リエゾンの依頼件数で最多となっており、中でも、自殺企図、自傷行為に関する依頼が最多です。当教室では、最近、自殺未遂者の自殺再企図防止について世界で初めて高いエビデンス・レベルでその方略を明らかにした、自殺対策のための戦略研究ACTION-J(Kawanishi et al., Lancet Psychiatry, 2014)に準拠した自殺未遂者のケース・マネジメント介入を高度救命救急センターとの協働で実践しています。また、これらの活動をもとに、患者さんのご協力を得てさまざまな臨床研究に携わっています。