神経精神科後期研修プログラム

研修プログラム概要

卒後2年間の初期研修終了後、3年次より精神科後期研修プログラムに入ります。初期研修で習得したプライマリケア医医師免許取得後の2年間の初期研修修了後、3年目より精神科後期研修プログラムに入ることができます。
初期研修で習得したプライマリケア医としての知識・診療技術をベースとし、後期研修では、精神科領域において幅の広い、そして数多くの臨床経験を積み重ね、精神科医として必要な知識や診療技術を修得することを目標とします。また、その後は指導的な立場として成長していくことを目標とします。
札幌医科大学神経精神科は、人口約230万人余りの札幌医療圏においてわずか4つの総合病院有床精神科の一つであり、また公設大学として、建学の精神にも示されているように、道内の地域医療を支える役割を担っています。またその一方で、大学医学部精神科の使命として、先進的かつ高度な精神科診療、それを裏打ちする精神医学研究、そしてこれらの活動を継承していくための医学教育に注力しています。私たちはこのように、診療・研究・教育、そして地域貢献のすべてを視野に入れ、優れた精神科医の養成に努めています。
後期研修プログラムでは、日本精神神経学会が認定する認定専門医*と、厚生労働省が定めた国家資格である精神保健指定医の取得も大事な目標となります。神経精神科では、研修開始後3-5年間のうちにこれらの資格取得に必要な経験症例数を蓄積することができるように積極的に支援します。また、それに付随して、後期研修医はそれぞれの希望や志向性に併せて、精神科医としてのサブスペシャリティー(さまざまな精神医学領域の専門性)を確立したり、あるいは医学研究者を目指すこととなります。
(*2017年より、精神科を含む19基本診療科において、認定専門医制度が厚生労働省主導で日本専門医機構の下に統合されることになり、専門医取得のプロセスが変更となりますが、神経精神科では、これに完全に対応した形でプログラムの改訂を行います)

研修の期間

原則として、研修期間は8年以上と想定していますが、健康問題や個々の専門志向性などにより多少の変更もあり得るということで、事情に応じて個別に対応しています。
以下が基本プログラムとなります。

[精神科後期研修第Ⅰ期:初期トレーニング]
期間:原則1年間
・精神科医としての初期トレーニングを札幌医科大学附属病院神経精神科において行う。
・多くの症例を経験し、一般精神科医療の基本的な知識と診療技術を身に付ける。
・身体合併症をもつ患者の診療、コンサルテーション・リエゾン対応、緩和ケア診療など、特に総合病院精神科に求められる診療に従事する。
・上記診療に求められる多職種チーム医療を経験する。
・ガイドラインや先行研究を念頭に、妥当性の高い診療の計画を心がける。

[精神科後期研修第Ⅱ期:主体的な診療実践と専門資格取得]
期間:原則2-3年間
・附属病院以外の関連医療機関においてより主体的に診療を実践する。
・原則として地域の総合病院などで、その病院の特性や立地する地域の特性に合わせてより専門的な医療を実践し、地域医療を学ぶ。
・多職種チーム医療、地域精神保健における多職種協働に主体的に参加する。
・第I期とこの第Ⅱ期を通じて、認定専門医・精神保健指定医の申請に必要な症例を経験・蓄積し、可能であれば両資格の申請を行う。

[精神科後期研修第Ⅲ期:サブスペシャリティの獲得と教育、研究への参加]
期間:原則2-3年間
・原則として札幌医科大学附属病院神経精神科で行うが、本人の志向性に応じて他の医療機関で行う場合もある。
・専門医やサブスペシャリティ領域の認定医などを取得し、高度な専門性を有する精神科医として診療に従事する。
・多職種医療チームや地域医療におけるリーダーシップを涵養する。
・後進の教育を念頭にグループ診療に参加する。
・大学等で実施されている研究活動に何らかの形で参加する。
・さらに研究活動を志向する場合には大学院進学や研究機関への留学を目指す。

[精神科後期研修第Ⅳ期:地域精神保健、あるいは精神医学研究のリーダーとしての研鑽]
期間:原則2-3年間
・地域の総合病院、あるいは精神科病院において中堅、ないしは医長、科長としての立場で研鑽を積む。
・指導・管理的な観点から精神医療に取り組む。
・地域精神保健のリーダーとして研鑽を積む。
・地域精神保健の担い手を育成する。
・研究に従事するものは、研究グループのリーダーとして研究成果を発信し、後進の育成を行う。