自主臨床研究「札幌市における救急患者精神科継続支援導入患者の実態調査」についてのご説明
自殺は世界的にみて主要な死因のひとつであり、経済的、社会的な影響も強く、自殺予防は重要な問題であると考えられています。
当研究グループでは救命救急センターに搬送された自殺未遂者に対して、自殺再企図抑止効果が検証されている「救急患者精神科継続支援」を実施しております。
本研究は、札幌市内で「救急患者精神科継続支援」を実施している医療機関の患者登録情報を活用し自殺未遂者の実態を明らかにすることを目的としております。
今回参加をお願いする臨床研究は“自主臨床研究”と呼ばれるもので、実際の診療に携わる医師が医学的必要性・重要性に鑑みて、立案・計画して行うものです。この臨床研究については、当院の臨床研究審査委員会の審議に基づく病院長の許可を得ています。臨床研究に参加されるかどうかはあなたの自由意志で決めて下さい。参加されなくてもあなたが不利益を被ることはありません。
2017年4月1日〜2027年12月31日までに、札幌医科大学附属病院、市立札幌病院、北海道医療センターにおいて、精神科救急継続支援を実施された自殺未遂者を対象にしています。
予定症例数は当院100名、研究全体で300名を予定しています。
2017年4月1日〜2027年12月31日までに、札幌医科大学附属病院、市立札幌病院、北海道医療センターにおいて、精神科救急継続支援を実施された自殺未遂者の診療情報を用いて、後方視的に調査を行います。
患者基本情報、精神科診断、ケースマネジメント情報、自殺企図・自傷行為歴、治療アドヒアランス、心理検査結果など
精神科救急継続支援を実施された自殺未遂者を対象に、診療情報を用いて、診療データから情報収集を行います。
本研究を行うことで費用負担が生じることはありません。
本研究では個人情報の漏洩を防ぐため、個人を特定できる情報を削除し、データの数値化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取っています。本研究の実施 過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
この研究で使用する情報は、以下の責任者が管理します。
札幌医科大学医学部神経精神医学講座 河西千秋
収集したデータは、神経精神医学講座内の鍵のかかるロッカーで研究者責任者が保管し、本研究に関与する研究者以外は閲覧することがないように管理します。尚、保存した情報を用いて新たな研究を行う場合は、臨床研究審査委員会にて承認を得ます。
研究結果は、報告書として公表されます。また、医学専門雑誌への投稿及び学術集会における発表を適宜行います。結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
2017年4月1日から2027年12月31日までの間で、ケースマネジメントを受けられた方の中でこの研究に診療データを提供したくない方は、2028年2月1日までに下記まで連絡ください。お申し出をいただいた時点で、研究に用いないように手続きをして、研究に用いられることはありません。この場合も、その後の診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
ご連絡いただいた時点が上記問い合わせ期間を過ぎていて、あなたを特定できる情報が既に削除されて研究が実施されている場合や、個人が特定できない形で既に研究結果が学術論文などに公表されている場合は、解析結果からあなたに関する情報を取り除くことができないので、その点はご了承ください。
病院長承認日から2028年3月31日まで
本研究について知りたいことや、ご心配なことがありましたら、遠慮なく担当者にご相談下さい。
〒060-8543 北海道札幌市中央区南1条西16丁目
札幌医科大学医学部 神経精神医学講座
神経精神医学講座 教授 河西 千秋 (研究責任者)
神経精神医学講座 准教授 田所 重紀 (研究分担者)
神経精神医学講座 講師 石井 貴男 (研究分担者)
神経精神医学講座 助教 柏木 智則 (研究分担者)
神経精神医学講座 助教 石橋 竜太朗 (研究分担者)
神経精神医学講座 診療医・大学院医学研究科 成田 賢治 (研究協力者)
神経精神医学講座 診療医・大学院医学研究科 大江 開 (研究協力者)
神経精神医学講座 診療医・大学院医学研究科 佐野 智章 (研究協力者)
保健管理センター 公認心理士 津山雄亮 (研究協力者)
連絡先 平日日中(9時〜17時)
神経精神医学講座 電話011-611-2111(内線35180)
夜間・休日
4階北病棟 電話011-611-2111(内線35240、35250)
村山先生は、発表演題名「Correlations between regional cerebral blood flow and psychiatric symptoms in dementia with Lewy bodies without parkinsonism」で、2021年度の国際学会発表賞を受賞いたしました。おめでとうございます!
2月6日に開催された第46回北海道児童青年精神保健学会で当教室診療医の下出崇輝先生が優秀発表賞を受賞されました。
演題名は「札幌医科大学付属病院GIDクリニックを受診した児童思春期症例」です。
おめでとうございます!
12月15日 浜松医科大学医学部神経精神医学講座 山末英典先生を招聘し、メンタルヘルス講習会を開催いたしました。また、当科から田所准教授が本学でCOVID-19対応の最前線にいる看護師を対象に実施した研究のご紹介をいたしました。
北海道精神神経学会 第140回例会優秀演題賞のお知らせ
12月5日(日)にオンライン開催された第140回例会では、
優秀演題賞の発表は当日ではなく後日とさせていただいておりましたが、
下記演題に決定致しましたので、会員の皆さまへ御報告申し上げます。
優秀演題賞
◆COVID-19 流行下における自殺関連行動の特徴
北海道大学病院 精神科神経科 内藤 大先生
◆「自殺再企図防止のための救急患者精神科継続支援」を受けた自殺企図患者の心理社会的特徴
札幌医科大学医学部 神経精神医学講座 菅原夏海様
当科がホストとなった第140回北海道精神神経学会が、12/5に開催されました。当医局、関連病院からは村山先生、小熊先生、佐野先生、古俣先生(来年度入局予定)、心理士からは長尾さん、菅原さん、精神保健福祉士からは岩木さんが発表いたしました。それぞれが発表したタイトルは以下となります。今後も当科からは精神医学の発展のために、積極的に発表していきます。
村山友規「レンボレキサントの使用経験:アテネ不眠症尺度による評価」
小熊貴之「当科におけるレンボレキサンとの使用調査」
佐野智章「レビー小体型認知症患者に対する修正型電気けいれん療法の適応と効果」
古俣晧涼「人工透析患者に生じた抗菌薬関連脳症の一例」
長尾智誠「肥満外来受診患者の心理社会的評価」
菅原夏海『「自殺再企図防止のための救急患者精神科継続支援」を受けた自殺企図患者の心理社会的特徴』
岩木敦子「メンタルヘルス支援と自殺予防のためのケース・マネジメント介入を実施した乳がん患者の一例」
当科では、厚生労働省の事業として、自殺未遂者等支援拠点医療機関整備を行っております。その一環として、今年の12/16に第1回自殺未遂者ケアの講習会を行います(第1回は直ちに定員となってしまい、現在受付は終了しております。受講を希望されていた方、大変申し訳ございません)。今回は対象が主に心理技術職向けとしていますが、今後は多職種向けにも行う予定となっております。興味のある方は、下記リンクをご参照下さい。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000209742_00022.html
10月10日は「世界メンタルヘルスデー」でした。それに合わせて、河西教授が駐日デンマーク大使館大使 Peter Taksøe–Jensenさんとの共同声明を、デンマーク大使館ホームページで発表しております。右(世界メンタルヘルスデー (um.dk))のリンクで、内容をご覧になれます。ぜひご確認下さい。
自殺予防学会が主催する自殺再企図防止のための救急患者精神科継続支援研修会が、10月9日、10日にオンラインで開催されました。
当教室からはファシリテーターとして、河西教授、石井講師、岩木さん(PSW)が、受講者としては、佐野先生、大江先生が参加しました。当教室では、これまで平成27年度より、約70人近く継続支援してきております。今後も自殺企図後の患者さんに、手厚い支援をできるように教室一丸となって、邁進してまいりたいと思います。