12月3日、旭川市で北海道精神神経学会第144回例会が開催され、当教室および関連病院からは以下の6演題の発表がおこなわれました。
「自閉スペクトラム症を背景としたカタトニアに対し高容量のロラゼパム投与が奏効した1例」:亀倉南穂(専攻医)
「脳神経内科・耳鼻咽喉科で精神疾患を疑われた後に筋萎縮性側索硬化症と診断された一例」:加藤紘幹(専攻医)
「自殺未遂者に対するアサーティヴ・ケースマネジメント介入の効果:介入前後の援助希求性の変化」:昌川安希子(精神保健福祉士)
「外傷性自殺企図患者の精神・身体機能の障害とその推移に関する予備研究」:安部雅(作業療法士)
「前頭葉症状が前景に立った大脳皮質基底核症候群の1剖検例」:廣瀬奨真(砂川市立病院、専攻医)
「出産前日のレンボレキサント服用による影響-3症例からの考察-」:望月真里菜(帯広厚生病院、専攻医)
11月17、18日に宮城県仙台市で開催された第36回日本総合病院精神医学会総会で石井貴男教授(保健医療学部)、阿部雅作業療法士がポスター発表を、河西千秋教授、柏木智則助教が「GHP知恵袋-エキスパートと考える明日のリエゾン診療-」をテーマとしたワークショップの指定発言、ファシリテーター行いました。
それぞれのポスター演題は以下の通りです。
石井貴男 教授:「自殺未遂者へのアサーティヴ・ケースマネジメントの実装:多施設共同コホート研究」
阿部雅 作業療法士:「総合病院有床精神科における外傷性自殺企図患者の治療に関する実態調査」
10月26日、毎年恒例となっている神経精神科オータムセミナーを開催しました。
緩和ケアをテーマに一般講演を当教室の石田智隆助教から、特別後援を埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科の大西秀樹教授からそれぞれお話いただきました。
緩和ケアの基礎から深い話まで、1時間という短い時間でしたが、教室員にとっても非常にためになる濃密なセミナーとなりました。
医学部1年生から初期研修医まで30名以上に参加いただき、盛況のうちに終えることができました。
今後もセミナーや教室説明会などを企画していきたいと考えておりますので、お楽しみに。
出利葉健太先生(砂川市立病院、大学院生)が博士(医学)の学位を授与されました!
出利葉先生は、統合失調症の病態解明をテーマに、近年の治療薬による、GABAインターニューロン、BDNF産生増加の意義を取りまとめ、特に、GABAインターニューロンの樹状突起末端に局在し、シナプス形成にダイレクトに影響を及ぼすタイプのBDNF転写産物をブロナンセリンが特異的に増やすということをまとめ、以下の論文で報告しました。
出利葉先生のさらなるご活躍をご期待ください!
Kenta Deriha, Eri Hashimoto, Wataru Ukai, Francesca Marchisella, Emi Nishimura, Hanako Hashiguchi, Masaya Tayama, Takao Ishii, Marco A. Riva, Chiaki Kawanishi: Reduced sociability in a prenatal immune activation model: Modulation by a chronic blonanserin treatment through the amygdala-hippocampal axis. J Psychiatr Res 164, 209-220, 2023
10月6日、7日に山口市で第31回日本精神科救急学会学術総会が開催され、前回総会で奨励賞を受賞した古俣皓涼医師(大学院生、北見赤十字病院)に賞状が授与されました。
また、シンポジウムで河西千秋教授、石橋竜太朗助教が座長、シンポジストとして登壇いたしました。
以下、当教室関連の演題
●シンポジウム2「総合病院における精神科救急〜病院内連携、地域連携からみえた課題と展望〜」
座長:河西千秋
シンポジスト:石橋竜太朗
「札幌医科大学附属病院神経精神科における重症自殺未遂者への介入と病棟管理における諸課題」
●シンポジウム6「自殺リスクの早期発見と介入」
シンポジスト:河西千秋
「スローガンから自殺予防医療へ:自殺未遂者への迅速介入と自殺再企図予防のためのアサーティヴ・ケースマネジメント介入」
9月15-17日に大分市で開催された第47回日本自殺予防学会総会で石井教授(保健医療学部)、佐野医師(大学院生、帯広厚生病院精神科勤務)、津山心理士、菅原心理士、田尻精神保健福祉士が一般演題・ポスター発表を行いました。
また、河西教授と札幌医大スタッフが、心理技術職を対象に同会期中に開催された、「自殺予防と危機介入研修会」の講師、ファシリテーターを務めました。
発表演題は以下の通りです。
石井貴男
「自殺未遂者へのアサーティヴ・ケース・マネージメントの実装:post ACTION-J 研究(PACS)」
佐野智章
「帯広厚生病院に救急搬送された担癌自損行為患者」
津山雄亮
「新型コロナ・ウイルス感染拡大下における医学部新入生の生活・健康問題とその推移」
菅原夏海
「別海町における自殺対策のためのゲートキーパー養成研修:教育効果の検証」
田尻 里歩
「自殺未遂者の自殺再企図防止のための救急患者精神科継続支援:社会資源の導入と受療支援の実際」
9月6日
イタリア、ミラノ大学の薬理生物分子科学講座、Marco A. Riva教授が、当教室を訪問されました。
共同研究の打ち合わせや実験指導に加え、
「How stress may shape mental health: neurobiological mechanisms and therapeutic implications.」
と題した研究セミナーを実施頂きました。
非常にタイトなスケジュールのなか、ありがとうございました!
8月5日、本学で開催された助産師・保健師スキルアップセミナーで河西教授が講師を務めました。
本研修会は、周産期において大きな課題となっているメンタルヘルス不調に起因する自殺を予防するための基本知識を修得することを目的として実施されており、2021年度から当教室のスタッフが講師として参加しております。
今回は「産期におけるメンタルヘルス不調と産後うつ、虐待死の予防に取り組む」をテーマに下記の講演が行われました。
講演1 産後うつ病の早期発見、国内外の研究動向からみる看護の役割と機能
講師 札幌医科大学保健医療学部看護学科 講師 植木 瞳
講演2 産前産後のメンタルヘルス支援と自殺予防、助産師に期待すること
講師 札幌医科大学医学部精神神経学講座 教授 河西 千秋
6月22日から24日まで横浜市で開催された、第119回日本精神神経学会学術総会に多くの教室員が参加し、シンポジウム、教育講演、ワークショップ、口演、ポスター発表など様々なセッションに関わりました。
また、「精神科専門医研修中の医師による演題」部門で、加藤 紘幹先生(専攻医、大学院生)が優秀発表賞を受賞しました。
2024年度に札幌で開催予定の第120回日本精神神経学会学術総会は札幌医科大学が主管を務める予定なので、盛り上げていきたいと思います。
以下、当教室員の関わったセッションです。
●シンポジウム5 精神療法と治癒像
・「あるがまま」は精神療法の普遍的な治癒像になり得るか?
○ 田所 重紀
●地方会優秀演題セッション1 <北海道・東北>
・自殺企図患者(未遂者)の家族:企図直後の心理とその推移
○佐野 智章, 煤賀 隆宏, 岩木 敦子, 昌川 安希子, 柏木 智則, 石橋 竜太朗, 河西 千秋
・自殺ハイリスク者に対する第1介入者のAttitude
〇 柏木 智則 , 津山 雄亮 , 菅原 夏海 , 橋本 恵理, 成田 賢治 , 河西 千秋
・札幌市における救急患者精神科継続支援の実施状況
〇 石橋 竜太朗(1), 伊藤 侯輝(2), 宇土 仁木(3), 東谷 敬介(2), 坪内 雅行(3), 久住 一郎(4), 河西 千秋(1)
1 札幌医科大学医学部神経精神医学講座, 2 市立札幌病院精神科, 3 北海道医療センター精神科, 4 北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野精神医学教室
●関連学会優秀演題ポスター1 日本統合失調症学会・日本臨床精神神経薬理学会・日本精神科救急学会
・札幌医科大学附属病院における救急患者精神科継続支援の実施状況
〇 古俣 皓涼, 石橋 竜太朗, 佐野 智章, 大江 開, 津山 雄亮, 昌川 安希子, 柏木 智則, 河西 千秋
●一般演題(ポスター)3 AI・社会精神医学・自殺予防
司会:田所 重紀
●専攻医・初期研修医・学部学生演題(ポスター)4
・札幌医科大学附属病院高度救命救急センターに搬送された自殺企図患者の特徴と予後
○ 加藤 紘幹, 石橋 竜太朗, 佐野 智章, 大江 開, 津山 雄亮, 昌川 安希子, 柏木 智則, 阿部 雅, 古俣 皓涼, 河西 千秋
●シンポジウム49 精神医学における個別性と普遍性
・人の生き方における個別性と普遍性
〇 田所 重紀
●委員会シンポジウム27 ( 自殺予防に関する委員会 ) 新たな自殺総合対策大綱:見直しに向けて当学会の取り組みと今後の課題
・新たな自殺総合対策大綱:自殺未遂者等対策に関する要綱と課題
〇 河西 千秋
●ワークショップ6 ( 自殺予防に関する委員会 ) 複雑事例を通して学ぶ自殺予防のエッセンシャルズ
司会:河西 千秋
講演者:成田 賢治
ファシリテーター:柏木 智則, 石橋 竜太朗, 佐野 智章, 加藤 紘幹, 津山 雄亮, 菅原 夏海, 田尻 里歩
●教育講演9
最近の自殺問題の推移と自殺予防医療の確立
〇 河西 千秋(1), 張 賢徳(2)
1 札幌医科大学医学部神経精神医学講座, 2 六番町メンタルクリニック
6月7日、イギリスCHURCHILL fellowshipで来日しているRhea Newmanさんによるレクチャーが行われました。
イギリス(特にイングランド、スコットランド)における自殺の現状、自殺予防施策の推移と展望、Samaritansの活動などについてレクチャーいただき、レクチャー後は日本とイギリスの実情を踏まえたディスカッションが行われました。
イギリスでの取り組みについて非常にわかりやすくご教示いただき、貴重な機会となりました。